
Haiku | Kaihō Sep./Okt. 2025 (要旨)
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アウグスブルクの日本春祭りは前売り券が即座に売り切れになり、母の日の当日は
大変人出でした。この町の句会は都合二度舞台で俳句を朗読することができ、特に
午前中は観客も元気でとても熱心に聴いてくれました。俳句コンテストも盛会でし
た。
月例句会の内6月はミュンヘン句会と日は別々ながら同じ兼題で技を競いました。
例年のことですが、集まった句の一部は和訳して日本に送り、私の先輩が一人一句
についてコメントを書いてくれ、優秀な句は私の神戸の俳句の先生の俳句月刊誌に
掲載してくれます。
6月初めのオンライン句会では会の後半に次の俳句作品を取り上げました。
花の夜は銀の鱗をもて逢はむ 恩田侑布子
恩田は15歳の時荘子の本を読んで彼に不滅の恋をしたそうです。故郷の川で泳ぐの
が好きだったため、この句では魚になって荘子と共に川で泳ぐことを想像していま
す。俳句では写生が基本ですが、そうでない句もあるということです。
恩田は2013年に芸術・俳句評論集「余白の祭」で第23回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を
受賞。2014年から2019年にかけてパリと他の都市で講演しました。村戸裕子
2 Haiku
Leis’ fällt die Nuss
nach vielen Schlägen vom
knorrigen Baum.
Thomas Birke
Herbstblues. Auf dem
Sofa häng ich meinen
Gedanken nach.
Loretta Gaukel